少し前にこんな記事を書きました。
95%の完成度を3日かけてやるより70%の完成度を1日でやるほうが重宝される話
まあタイトルの通りなのですが、多少クオリティを犠牲にしてでもスピード重視したほうがうまくコトが運ぶことが多い、というような内容です。
これが結構反響ありまして、「私も同じ意見」とか、「そんな人とは仕事したくない」とか、「場合による」とか、実に様々な意見をいただきました。ありがとうございます。
皆さん仕事に対してそれぞれの考え方やポリシーがあるんだなってことがよくわかりました。当たり前っちゃあ当たり前か。人生で睡眠の次くらいに費やす時間が多いのは仕事ですもんね。
今後もちょくちょく仕事やってて感じたことを記事にしてみようかと思っています。自分の考えは普通なのかアウトローなのか間違ってるのか。読者の反応を見れば大体わかりますもんね。
ってことで今回も仕事についてのお話です。
ある人に対して意見を言うときに、あなたは評論家になって正論ばかり口にしちゃっていませんか?
その人が聞きたいのは、到底実現できない理想や誰でもわかるような当たり前のことではなく、現実に即したアドバイスだと思いますよ。
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ミスが発生。再発防止策を検討
昔の話になりますが、とある業務でミスが発覚しました。
それほど大きな被害は出なかったものの、それでもユーザーに迷惑をかけたのは事実です。ミスへの対応が一段落した後に、ミスの原因分析と再発防止策を検討することになりました。
ミスが起きた業務の担当者が検討して資料にまとめ、後日、関係者や上司に資料を見てもらうことになりました。
上司から出てくる言葉は代案なきただの批判だけ
資料を見てもらう日となりました。関係者や上司に対して、ミスの発生した経緯と、その人なりに考えた再発防止策について担当者が説明を行いました。
「説明は以上になります。ご意見やアドバイスなどありましたらお願いします」
「…この対策を取れば、今後100%ミスは防げるわけ?」
「えー…、100%は難しいかもしれませんが、かなり確率は減らせるはずです」
「いや、それじゃ意味ないでしょ。今後も発生する可能性があるんじゃ再発防止にならないし」
「ですから、2重3重の対策を講じようと考えております」
「それはこのチェック体制強化のこと?これだって人数増やせばいいってもんじゃないでしょ。人件費はどうするの?」
「大体、人は絶対ミスするんだからさあ。これじゃ対策にならないよ。どうするの?」
「…」
気まずいムードのまま沈黙が続きました。結局時間切れとなり、再発防止策は再検討することになってその場は終わりました。
私もこの場に出席していたのですが、このやりとりに強い違和感を感じていました。
※その場で意見しろよ、って言われそうですね。そのとおりなのですが、当時私はペーペーだったのでそんなことできる雰囲気ではありませんでした…察してください。
そんなことは誰でもわかってる
上司が言ってることはごもっともです。再発防止なんだから再発する可能性があったら意味がないのはそりゃそうですし、人の目を増やしてコストが増えるのはNGなのもわかります。
でもそれは社会人を数年やってたら「誰でもわかること」なのです。わかってはいるけど、担当者はそれしか書けなかったんです。
根本的に対策しようと思えばシステムを導入して自動化すれば良い。でもそんなのやる暇もお金もあるわけないし、絶対通るわけない。そう考え、言ってしまえば小手先の対策を書かざるをえなかったのです。
担当者としては、もっと大局的な視点で見てよりよい方法がないかとか、具体的な案でないにしてもこういう方向性で考えてはどうか、といったアドバイスが欲しかったのです。
今回の上司のように、頭ごなしに批判だけして自分からは代案を出さない、アドバイスもしないというのは、ちょっとあんまりだと思うのです。
それを考えるのが担当者の役目でしょ、って思う人もいるでしょう。もちろんそれはそうです。でも困っているメンバーに対して適切なアドバイスをすることだって、上司の役目ではないでしょうか。
正論を振りかざす「評論家」になってしまっていないか?
誰が考えても当たり前・そのとおりという「正論」を言われると、誰も反論できません。それが正しいことっていうのは誰しもわかっていますから。
そういう「正論」を振りかざして相手を論破するのが好きな人っていますよね。でもそれだけじゃ何の解決にもならないのです。
朝まで生テレビのような討論会ならそれでいいかもしれませんが、仕事はそんな理想や正論だけでやっていけるような簡単なものではありません。コストや影響、期限などを考慮し、現実的な案や落とし所を考えるのが仕事です。
理想だけなら高校生だって語れますよ。
まとめ
- 普通に社会人を経験してる人なら正論はわかってる
- 現実を見極め、落とし所を探るのが仕事
- ただの評論家になってしまっては何も解決しない
社会人経験が豊富になればなるほど、ついつい「評論家」になってしまいがちです。
正論を言うならそれを実現するための方法も提示しましょうよ。それができればきっとあなたは職場でスーパーマン扱いされると思いますよ。
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