ちょっと昔の話になりますが、過去におれおれ詐欺を経験したことがあります。
幸いなことに金銭的な被害が出る前に気づいたのですが、当時おれおれ詐欺が流行していたときだけに「ああ、これがTVでよく見るおれおれ詐欺なのか…」と驚いた記憶があります。
今回はそのときのお話をしたいと思います。
credit: Don Hankins via FindCC
おれおれ詐欺とは
あまり説明の必要もないとは思いますが、念のため。
振り込め詐欺(ふりこめさぎ)は、電話やはがきなどの文書などで相手をだまし、金銭の振り込みを要求する犯罪行為。詐欺事件の総称として2004年に警察庁が命名した。
2004年11月までは、“オレオレ詐欺”と呼ばれていたが、手口の多様化で名称と実態が合わなくなったため、架空請求詐欺や融資保証金詐欺などと合わせる形で、2004年12月9日に、警察庁によって統一名称として「振り込め詐欺」と呼ぶことが決定された。2013年5月12日に、再び現状に合わなくなったことより「母さん助けて詐欺」など3名称と併用することが決まった。
※振り込め詐欺 – Wikipediaから引用
おっと、Wikipediaによると今はおれおれ詐欺というのは一般的ではないみたいですね。で、今は「母さん助けて詐欺」という名称もあると。
振り込め詐欺は知ってましたが、母さん助けて詐欺なんて初めて聞きました。皆さん知ってました?
私が経験したおれおれ詐欺
では私が経験したおれおれ詐欺についてお話しましょう。
携帯電話に変ないたずら電話がかかってくる
とある平日、いつものように職場に出勤して仕事をしていました。
すると突然、番号非通知で携帯に電話がかかってきました。仕事中でしかも非通知なのでいつもならあまり取らないのですが、何度も連続してかかってくるので仕方なくとりました。
「もしもし?」
「ぁあ~ん、あぁ~ん、ぁん♥」
「???もしもし?」
「あんあんあん♥ぁあーーーん!!♥」
「もしもし??」
「あぁ~ん(ry」
電話口からは何やらいやらしい声が聞こえてきます。ずっと聞いていたいこちらの問いかけに反応しないのでいたずら電話と判断し、電話を切りました。
しかし、その後も同じように何度も非通知で着信が続きます。なんだよこれ。
もう一度取って繋ぎっぱなしにして電話料金を負担させてやろうか、とも思いましたが、仕事が忙しいし職場の音声が漏れるのも嫌なのでそこで携帯の電源を切りました。
職場に母親からの電話
それから1~2時間経ったくらいでしょうか。職場の同僚から電話の取り次ぎ連絡を受けました。
「グアバさん、総務のほうにグアバさんのお母さんから電話がかかってるらしいんですけど…」
「は?うちの母親!?…すみません、繋いでください。。。」
電話を取り次いでもらい、母親と電話が繋がりました。
「もしもし?なんで職場に電話してくるの?」
「あ、グアバ!!携帯に電話しても繋がらないから…あなた大丈夫なの!?」
「は?何が??」
「だって、通勤中に人を跳ねたらしいじゃないの!!」
「はぁ?俺が人をはねた?んなことするわけないじゃん。誰から聞いたの、それ」
「弁護士の人よ!あなたが通勤中にクルマで女の子をはねて入院させちゃったって…」
「いやいや、そもそもクルマで通勤してないし、もちろん事故ってもないし」
「でも弁護士の人がそう言ったのよ?グアバは気が動転して話ができるような状態じゃないから弁護士の人が代わりに電話したって…」
「はぁ」
なんかおかしいぞ。
「今回の件で示談金50万円振り込んでくれれば示談で済ませられそうだけど、払えないとグアバが捕まっちゃうって…」
ここらで悟りました。ああ、これはおれおれ詐欺だな、と。
「とにかく、俺は事故なんかしてないから。もしかして金振り込んだの?」
「まだ。手持ちがなかったから銀行でお金おろそうとしたら、銀行の人からもう一度息子さんに確認してほうがいいって言われて…。携帯つながらなかったから会社に電話したのよ」
「なるほどね。わかった。これおれおれ詐欺だから。振込なんて絶対したらダメだよ」
「え、そうなの?でもグアバ、さっき弁護士さんからの電話に出たじゃない。ショックで泣きじゃくってたけど…」
「いや、それ絶対俺じゃないしw俺の声だった?」
「泣きじゃくってたから一言二言しか聞けてないけど…グアバみたいな声してたわよ。まともに話ができないからって、弁護士さんにグアバの携帯番号聞かれたから教えたのよ」
「ちょw俺の携帯番号教えたんかい!!」
さっきの卑猥な電話はそういうことですね。母親から私に携帯電話が繋がらないようにするための手口だったと。
「もうー、知らない人に携帯番号教えるなよー!ってか、これは典型的なおれおれ詐欺だから、絶対金振り込むなよ?向こうから電話かかってきても無視して!仕事あるからちょっとこれで切るわ」
「本当に事故してないのね?わかった」
親元を離れた子供を装う典型的なおれおれ詐欺の手口
まったくもう、自分の母親ではありますが呆れてしまいました。息子の声がわからないもんですかね?
さらに相手がいくら弁護士を名乗ったとは言え、安易に私の携帯電話の番号を教えてしまうところもまた…。
仕事終わったあとに母親にはこっぴどく説教をしてしまったのですが、これって結構被害にあってる人も多いのかもしれません。
うちのように実家が田舎で、子供が親元を離れているケースは結構あるはずです。
電話でいきなり弁護士を名乗る人から子供が事故を起こして相手を怪我させた、なんて聞いたら気が動転してしまうのでしょう。私だって最初はドキッっとしそうですから。
電話で直接話をすれば声でわかるだろ、とも思うのですが、泣きじゃくって片言しか話せないような状態って言われちゃうと声なんてわからないんでしょうね。それが向こうの手口なんでしょうが…。
詐欺に関する知識と密なコミュニケーションがあれば回避できる
しかし、まさか自分がおれおれ詐欺の被害にあうとは思ってもいませんでした。
とは言え、これはおれおれ詐欺がかなり流行していたときの話ですから、普通にニュースなどを見て詐欺の手口を知っていれば十分回避できて事案です。うちの母親はそのへんがうとくて。。。
そして普段から両親と密にコミュニケーションを取っておくことも有効でしょうね。どうしても子供が男だと親元を離れてしまうと連絡がおろそかになりがちですから。
まとめ
- おれおれ詐欺はなかなか巧妙な手口で仕掛けてくる
- でもニュースや新聞などの知識で対策は可能
- 遠方にいる両親とはマメに連絡を取っておこう
最近は振り込め詐欺も手口が巧妙化していると聞きます。とりあえず知らない人からの電話は一旦疑ってかかるくらいでよいと思います。
私の経験談を参考に、皆さんも注意してくださいね。