こんな記事を読みました。
IT断食で増益の企業、なぜ増加?スマホやPC導入がもたらす“甚大な”経営的損失 | ビジネスジャーナル
この記事には、企業がIT化を進めて業務の効率化を狙ったものの思うような効果を得られず、「反IT」で収益がアップした事例が書かれています。
この記事を読んで、ちょうど最近私が感じていたことと似ている部分があったので記事にしてみたいと思います。
ITを利用する人達がITに飲まれてしまっていないか?
今やITを全く使っていない企業なんてほとんどないといっていいでしょう。規模の違いこそあれ、パソコンで情報を管理し、インターネットで検索やメールを利用しているはずです。それだけでも十分にIT化されていると言えます。
IT化の目的は「業務の効率化」であることがほとんどです。では、IT化が進んだことで働く人達の業務が楽になり、仕事にかける時間を減らすことができているのでしょうか。
この問いかけに自信を持って「YES」と答えられる人はきっとITをうまく活用できているんでしょうね。
でも多くの人は素直に「YES」とは言えないのではないでしょうか。IT化することに囚われてしまい、思うような効果を得られていなかったりしませんか?
全ての会話がメール。目の前に相手がいるのに…
これは私が経験したお話です。
とあるチーム(4~5人)に私が加わり、一緒に業務を進めることになりました。私は途中参加だったので、まずは周りのチームメンバーがやっていることを知るためにやりとりしているメールを共有してもらうことにしました。
そこで交わされているメールをしばらく見ていて「あれ?」と思うことがありました。それは、「なんで目の前や隣にいる相手に対して、こんなにメールの応酬してるの?」ってことです。
言葉で話せば「○○の件、どうなりましたか?」「その件は▲▲に決まりました。なので、□□の準備お願いします」と一往復で済むような内容です。
それをメールで書くことで、お決まりの挨拶を書いたり細かい表現の修正が発生したりして、なんかすごくムダな時間をかけてるなー…と感じずにはいられませんでした。
そんな感じなので、皆PCのディスプレイに夢中で、キーボードを叩くことに必死です。会話がないわけではないですが、なんかすごくギスギスした感じ。
数日してあまりに不思議だったので、リーダーに「なぜ口頭で言えばすぐ済むことをメールでやりとりしてるんですか?」と聞いてみたんです。
すると、リーダーは「以前、口頭で伝えた仕事を忘れてやってない人がいた。それ以来、お願いした証拠としてメールでやりとりするようにした。その習慣が今も続いている」と答えました。
なるほどね。口頭だと言った言わないの水掛け論になっちゃいますからね。メールにすることで依頼や回答の証拠として残しておくってことですか。
全てをメールでやる意味はあるのか?
でも、そもそも全てをメールに残しておく必要があるのか?という点が私には理解できませんでした。
例えば、進捗をちょっと知っておきたい程度のことなら口頭で十分なのではないでしょうか。その進捗を押さえておかないと業務上致命的な問題が生じるのであれば、もっと違う方法(仕組み)にすべきです。
でも仕事上の会話ってそんなことばかりじゃないですよね。口頭のほうが早くて、確認する方もされる方も負担が少ないケースだって多いはずです。
それに、仲間内で会話したほうがコミュニケーションも取れていいと思いますよ。
私はコミュニケーションをことさらに重要視し、コミュニケーション取れない人はビジネスマンにあらず!…のような風潮には全く賛同しません。しませんが、出来たほうがいいとは思っています。
ITを利用する目的をよく考えて活用しよう
これはよく言われることですが、目的と手段を取り違えてしまわないようにしたいものです。
今回のケースで言えば、メールで会話することが目的ではありません。情報を短時間で正確に伝えることが目的です。どの方法が良いのかは適宜判断すべきです。
これが遠方にいる多忙な人が相手に伝えたい情報であればメールでも良いと思います。ケースバイケースですね。
結局のところ、ITって使う人の考え方(使い方)次第ですごく便利にも面倒くさいものにもなりうると思うのです。
まとめ
- ITを使えば必ず効率化されるものではない
- ITを使うことが目的化していないか考える
- ITを活かすも殺すも結局は使う人次第
ITは素晴らしいものです。ITによって10年前では考えられなかったようなことができるようになりました。
ただし、それを活用するのはあくまで「人間」です。IT化の波に飲まれてしまうのではなく、うまく乗りこなすスキルを身につけねばなりません。